第3回進化経済学会賞の決定について

みなさま

第3回進化経済学会賞の受賞研究が決定しましたので,ご報告いたします。

 

受賞書籍タイトル:「 製品アーキテクチャと人材マネジメント」(岩波書店,2018年)

著者名: 都留康

受賞理由:

本著は、製品の機能的要素を製品の構成部分に割当てることを意味する「製品アーキテクチャ」と人材マネジメントの関係性を、日韓中での大規模調査を通じて、明らかにしようとした意欲的な労作です。

本書は、極めて実証性の高い研究でありながら、仮説−検証の科学的手法を明確に踏襲し、仮説の背景となる理論研究も高い水準で行われていることが確認できました。製品開発のプロセスにおける人材の活用方法および組織管理に関しては多くの先行研究がある中で、さらに深掘りできる余地が多くあったことに驚きすら感じさせられます。

また、「ウェアラブルセンサ」を用いた行動パターンの実証研究は、定性的な研究に集中する傾向がある組織論研究であくまで定量的に把握可能な形でかつ後続が検証可能な形での研究にこだわる姿勢が見てとられます。課題を解決するためにはあらゆる有効な手段を検討することは、まさに進化経済学会にふさわしい研究であると言えます。

理論的革新を評価する進化経済学会賞において、日本を含む東アジア企業の製品開発に関する実証研究を受賞作とすることの異論を封じて余りあるオリジナリティに富む研究と言えます。審査委員全員の一致でもって、進化経済学会賞にふさわしい書物であると評価しました。

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