9月18日(水)進化経済学会「企業・産業の進化研究部会」開催案内

進化経済学会会員各位

いつも大変お世話になっております。東京大学MMRC特任助教の黄でございます。
さて、来たる9月18日(水)に開催されます進化経済学会・部会の「企業・産業の進化研究部会」につきまして、下記の通り案内申し上げます。
当日飛び入りでのご参加も大歓迎でございます(参加費無料)。
何卒宜しくお願い申し上げます。
                                      ―記―
■日時:9月18日(水)   18:30~20:00
■場所:東京大学ものづくり経営研究センター(MMRC)
     東京大学経済学研究科 学術交流棟(小島ホール)5階(中会議室)
■研究発表
18:30-19:15
<発表者>
筑波大学ビジネスサイエンス系教授  立本博文 
<発表タイトル>
Evolution of platform business and its impact on ecosystem
<発表要旨>
プラットフォームビジネスの進化により、産業および社会への影響が無視できなくなっている。
プラットフォームビジネスは、
第1世代:オープン標準を戦略的に活用(インテルやマイクロソフト)
第2世代:ネット上のユーザーデータを使ったマッチング(アマゾンやグーグル、フェイスブック)
第3世代:リアル+ネットのデータを用いたバリューチェーン構築(GAFA+日本企業トヨタやコマツ)
というように進化している。Springer本では、第1世代のプラットフォームビジネスをあつかった。
第2世代のプラットフォームビジネスはユーザーの個人データを主に使うため、急激な成長を遂げた反面、大きな社会問題も引き起こした(たとえば、ケンブリッジ・アナリティカ事件(トランプ大統領のネットキャンペーン)やBrexitキャンペーンなど。リクルート・ナビの内定辞退率事件(リクナビDMPフォロー事件)も個人情報を大量に用いるという意味で、同種の背景がある)
第3世代のプラットフォームビジネスは、第1世代と第2世代のテクニックを総動員しながら、さらに、対象をリアルワールドに広げている点に大きな特徴がある。そこでの対象は、自動車産業や物流・小売産業などが挙げられる。
本発表では、前半にSpringer本で説明したプラットフォーム世代(第1世代)を説明し、その後に、あたらしく第2世代のプラットフォームビジネスのメカニズムを説明する。その後に、現在、競争の焦点となっている第3世代のプラットフォームビジネスについて説明する。
参考:日経新聞 経済教室 GAFAと日本企業(上)
19:15-20:00
<発表者>

筑波大学システム情報系准教授  生稲史彦 様
<発表タイトル>

「An evolutionary process of the Home video game in Japan: The effect of platform, submarket and development productivity dilemma」

<発表要旨>
日本の家庭用ゲーム機向けソフトウェア(ゲームソフト)のビジネスは、1980年代に新しい需要を創造することに成功した。だが、2000年代以降はその需要創造の力が衰えた。
本発表では、新しい需要の創造と、需要を喚起する力が衰えたメカニズムを、イノベーションの観点から考察する。考察の結果、プラットフォーム、サブマーケット、開発生産性のディレンマといった現象および要因が、ゲームソフトのビジネスの発展と衰退を規定したことが明らかになる。
ご多用のところ恐れ入りますが、皆様のお越しを心よりお待ちしております。