「制度と統治部会」2024年度第1回研究会(清水潤氏『アメリカ憲法のコモン・ロー的基層』書評会、2024年8月29日)をお知らせします。
当部会が大きく関心をもっていることでおなじみのジョンR. コモンズは、法学的な概念や法の進化を応用して、経済を議論しました。コモンズが法に関心を持ち、見識をもっていたのは、20世紀初めのアメリカの裁判所が、革新的な立法を違憲とすることがあり、裁判所に違憲判決を受けないために、裁判所の考え方、そして、(創造的に再解釈するための素材としての)判例を研究したからでした。しかし、法学の知識の少ない私たちには、コモンズの議論についていくことが大変ですし、勘違いしていたり、最新の法制史からみると古い史観にとらわれていたりするかもしれません。それ以前に、私自身は、そもそもコモン・ローとは何かをうまくつかむことができませんでした。
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蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
暑さを吹き飛ばせるわけではないのですが、ここはひとつ水冷式でまいりましょう!
・・・ということで、
8月18日(日曜日)は21時よりオンラインビアガーデン!
会場はこちらのGather.Town
https://app.gather.town/app/0AHLXwPJ1SvUirXD/EvoecoAugust
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進化経済学会関西大会(2024年度第29回)実行委員会からの再度のご案内と新たな日程のお知らせです。
先般お知らせいたしましたように、本年度の関西大会のHPを開設・公開いたしました。
本年度は、オータムカンファレンスについては2024年9月21日(土)に、本大会については2025年3月22日(土)ー23日(日)に開催されます。
いずれも関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市)にて開催いたします。
現時点での概要については、下記URLをご覧ください。情報は随時、更新をしていきます。
URL: https://jafee.org/kandai2024/
以下が参加申込フォーム(2024年9月13日締め切り)
https://forms.gle/wzy61KGLTgX4rZjK6
です。
進化経済学会も設立から30年近くになり、先日の大会でもさまざまなジャンルでの研究の深まりを目の当たりにすることができまして、それは喜ばしいかぎりなのですが、その一方で専門化が進むにつれて見渡すことが困難になり、設立当初の強みであった、異分野融合で1つのテーマで盛り上がることが難しくなっているのではないかと危惧するところでもあります。
そこで、初心に返り、専門的理解とまではいかなくてもせめてそのジャンルでなにが面白いのか、共感できるような土壌を意識的に再生していこう、というのがこの分野概略オンラインレクチャーシリーズです。
6月1日にはその第一弾で、「J. R. コモンズ「制度経済学」の可能性:領域横断的進化経済学の始原を探る」と題しまして、部会運営にあたってこられた中原隆幸会員に、ジャンル外の方にもわかるようにお話ししていただきました。ヴェブレンの影に隠れがちなコモンズ(1862-1945)ですが、理論的純化に向かっていった経済学の大勢とは真逆に、制度は集団に属するわたしたちがどのように行為するといいのかという焦点を与えているという観点から、その包括的な研究を行いました。適正価値論、債務論、といったきわめて今日的なテーマを含むコモンズの議論は、幹の部分の話をしていたかと思えば、ひたすら枝葉の話が続くというように、けっして読みやすいものではないのですが、そこをあえて「森を見せよう」という中原レクチャーに、一同「そういうことなのかー」とコモンズ向学心を大いにかき立てられました。
今回は土曜の朝のレクチャー&お茶会という趣向でしたが、今後、金曜の夜のレクチャー&飲み会も企画しますのでどうぞご期待下さい!
(文:吉田雅明)